藤森メソッド「見守る保育」
「見守る保育」というのは、それまでの、母親というモデルに近づこうとしていた乳児保育、あるいは子どもに何かを教えようとする認知的な保育と違い、子どもが自分で発達していくための環境をつくる保育です。そのため、その子の発達をよく見て、その子の発達の少し先に課題を設定するために発達過程を理解するのが、保育者の専門性のひとつになるのです。子どもが欲していることを「やってあげる」のではなく、かといって「ただ見ているだけ」でもなく、一人ひとりの子どもの発達の過程をしっかりと「見て」しっかりと「守る」、そして発達に応じた適切な「援助をする」。それが「見守る保育」です。
1. 子ども主体の保育
まず、子ども主体とは「何をしてもいい」や「全てを子どもの思い通りにする」ということではありません。子どもが「自分の意思で選択することが出来る」ということを保障してあげることが大切です。その為には子ども自ら環境(人的・物的・空間)に働きかけ、その中で、自分で考えたり、課題を見つけたりしながら様々な選択が出来るような環境を整備していく必要があります。子どもの主体性を尊重することによって、自分で考え、責任を持って、自ら行動できる人間に育ちます。
2.かかわりを大切にした保育
子どもは多様な大人、子ども同士の体験から、社会を学んでいく(シティズンシップ)人が社会の中で賢明に生きるための社会的知性とは、人と人との関係において感情、情動で働く社会脳が存在する事が分かってきました。社会脳における他人と同調する能力、傾聴する能力、共感的関心などの能力の高さを伴った上で、高い知力、学力を持ってこそ、はじめて人はよりよい社会人としていきることが出来ます。また、子ども同士のかかわりが育まれる遊びは『ごっこ遊び』だと言われています。発達に応じて環境を構成すれば、子ども同士がかかわり合いながら遊ぶ事によって、想像力・発想力・社会性・協調性・共感性・コミュニケーション能力・思考力・言語力といった様々な能力が育まれます。
3.個別最適な支援
「能力の異なる多様な者を一緒にする」という価値と、もうひとつの価値は「能力の似た者を一緒にする」ことです。違いを知る小さいうちに、異年齢で過ごすことによって、年齢による行動、考え、ことばの違いを知っていく必要があります。模倣相手として他の年齢、特に自分より少し上の年齢の子を見て、真似して、発達に刺激を与えていきます。そして子ども文化が継承されていきます。教え、教わり、やってあげ、やってもらう人間は社会を形成して生きてきました。その社会の一員となるための資質を備えることも教育です。自分ができること、自分がすべきことを知り、できないことを人に頼むこともできるようになります。人は、支え合って生きていくために、それぞれ自立していくことが必要になります。外から見える姿からの刷り込みをなくす、いじめが少ない異年齢児集団では、年齢による差よりも、個人差を重視し、それを多様性として認めやすくなります。他の年齢の子のモデルとなることができるなど、特に年長児にとって非常に意味があります アタッチメントとしての存在異年齢の子どもからケア(気づかい)と精神的なサポートを受けることができます。異年齢の子どもたちの集団での遊びが、飛躍的に学習能力を高めるのです。
4.チーム保育
子どもは、職員のチームによって、多様な社会とのかかわりを学習します。チームは、一つの社会です。その社会の中では、相手の立場を理解する「共感力」が必要です。また、相手の言葉に熱心に耳を傾け、その胸の内を想像する「思いやり」が大切です。そして、子どもの発達は、職員の楽しさに関係している事が推測されます。それは、職員の楽しさが、子ども達に伝わり、子ども達は生活、遊びにおいて楽しさを感じ、そこからの影響を受けやすくなり、環境と相互作用により発達する特性において、より効果的に作用しあうようになるからです。
組織という社会の中での力は、お互いの影響しあうことによって、足して2になることから、それ以上の成果が表れます。そのために、チーム・メンバー全員に、意見や提案を求め、チーム・メンバー全員の後押し、協力を促すチームワークが必要になってくるのです。
5.学びの園庭
園庭は、子どもの発達を果たすためにあるものです。子どもの頃より自然に慣れ、遊び、使い、生きていくことが大切で、子どもが面白いと思い、自ら自発的に遊び込める環境を用意することが大切です。子ども目線を意識した環境設定や、5感(視、聴、味、触、臭)を使った遊び、自然化にある「火、土、水、木」を意識した園庭作り行うことで、子どもたちの発達を促します。
